汚れた街の汚れなき天使



「家の近くに動物園とか無かったとか??あ……でも学校の遠足とかで行ったりしなかった??」



小首を傾げて考え始める。



その間の沈黙が怖くて無駄に話しかけてしまう俺は挙動不審だろうか??



それともただの……小心者???



「あ、あとさ……お店じゃないしマリアって呼びたくないんだ。違う名前で呼んでもいい??」


本名聞いたりしないから、とさりげなく付け加えてみるものの。



「まりあでいいんだよ??」


「だけど……それじゃなんだか……」


「違うよっ!!カタカナじゃなくてひらがなのまりあ。それがホントの名前」




いやいやカタカナとかひらがなとか発音したら一緒だから……!?



……ってキミ、本名だったんかい!!!



じゃあ……なんであの時あんな悲しい顔したんだ??



キミには……いや、まりあには、どうやら俺が思うより更に深い闇があるようだ。




「でね?考えたけどたぶん動物園とか来た事無い!!」



そう言い切ったまりあと、初体験の動物園!!で遊ぶのがどれだけ大変な事か、俺は想像もしていなかった……。




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