汚れた街の汚れなき天使
「おにーさんお名前は??」
「波多野海人」
「本名なの??」
「当たり前だろ?」
そう言った俺の顔をみてマリアちゃんの顔が曇っていくから慌てて謝る。
「ごめんっ!!マリアちゃんは本名な訳ないもんな?」
こんな失礼な事言ってるのに君は笑うんだ。
とびきりの笑顔でさ。
「気にし過ぎ〜この業界で本名の子なんていないよん♪」
白い肌に大きな瞳。
キラキラ光る目元は化粧が濃いと言えなくもないんだけど魅力を更に際立たせている。
折れそうに華奢な体。
そして……一瞬見えたキレイなラインの胸。
毎日知らないオヤジに弄ばれてるのかと思うと俺の胸はなんだかモヤモヤした。
俺が穢さなくったって、キミはきっと毎日穢されている。
なのに、なんでそんな楽しそうに笑えるんだ??