汚れた街の汚れなき天使


「お客さんがみんな言うの。まりあの体はHだねって」



そりゃあんな場所だから言うだろうけども……それはその場の言葉遊び的なものじゃないのか??



「アタシが頑張って働くとね?褒めてくれる。もう嫌なんだ。痛いとか怖いとか……あそこで頑張るとみんな笑顔になるんだよ」



次第に見えてくるまりあの過去。



「親父さんと血繋がってないのか??」



それは最後の望み。


それならば、俺が連れ出すまでだ。





……だけど、キミの答えは



「えっ??繋がってるけど……どうして?」





もう……限界だ。




「まりあはそれでいいのかよ。本当に仕事してて楽しいのか?やりたい事とかあるんじゃないのか??」




気がついたら……壊してしまいそうな力でまりあを抱きしめていた。そんなに傷ついた体でどうして笑うんだ?俺にはわからないよ。





「えっとね。仕事が嫌とか他の事したいとか考えたことないの。だってアタシが働かなかったらおうち借金取りさんに取られちゃうんだって。」




「アタシは風俗以外に生きる道はないんだって言われてきたから……海人の言うようなコト考えたこともなかったよ。」





俺の腕の中で……まるで外の世界を初めて知ったかのように目を大きくして……。




「アタシHじゃないのかな???」



俺が大きく頷いて見せると笑ってくれるのに。




キミは帰ってしまうんだよね??




また、ナイトフェアリーという風俗店へ。





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