汚れた街の汚れなき天使
情けない事に、キミに想いを伝えなきゃ!!で頭がいっぱいでろくにエスコートも出来やしない。
一番無難であろう【本日のおすすめコース】を頼んで一息つくと……。
「喉渇いたー!」
早速グラスを持ち嬉しそうな顔をするから、その綺麗な顎のラインに、閉じた瞼にまたうっかり惚れなおす俺がいる。
「まりあ、聞いてくれるか?」
「んっ?なぁに」
手にかいた汗を拭い、爆発しそうな心臓を静かに深呼吸して抑えて……。
「まりあが……好きです」
「…………。」
「順番違っちゃったよな?偶然とはいえ俺は客としてまりあと出会ったし、キスもした。」
「……うん」
「だけど、俺は本気だから!!まりあに逢った日以外、今まで風俗なんて行った事無いし……知り合ったばかりだけど、俺がまりあを守りたい」
「…………。」
「俺じゃまりあの彼氏になれない??」
……聞いてから気付いたけど、まりあには既に彼氏ぐらい……。
いてもおかしくないよな。
っていうか、いる方が普通だよな。