汚れた街の汚れなき天使
さて、俺も帰るか。
はしゃぎ過ぎのまりあと一緒で疲れたし。
目を閉じると
「ぺんぎんだっーーー!!!」
そう叫んでるキミの笑顔が浮かんでくる。
コンコン。
ん?誰かが窓を叩いたような……ここって駐車禁止だっけ???
コンコンコンっ!!!
ったくもう、人が幸せに浸ってるってのにうるさいなぁ!!
「はい?何か用ですか??」
窓を開けて顔を出してみると……
「ほらぁ、やっぱりお兄さんじゃん!!」
誰だっけ!?
あ、思い出した。確か愛美の友達の
「沙耶ちゃん……だっけ??」
正解!!よく覚えてますね♪そう嬉しそうにする後ろには
「マジで……」
何故か青ざめた顔で絶句している愛美の姿があった。
「愛美!!どうしたんだよっ」
一目散に……まるで見てはいけないものを見てしまったように……駆け出す愛美に沙耶ちゃんもおろおろしてしまっている。
「あ……ちょっと待ってよ!!」
「お兄さんゴメンナサイ。愛美たぶん勘違いしてるんですよ。さっき一緒にいた子の事で……」
さっき、一緒にいた?
まりあ??
キミと愛美は何の関係もない筈なのに。
何を勘違いしたんだか。
もうすでに二人の姿はそこには無い。
どうせ同じ家に帰るんだから一緒なんだけど……いつもだったら絶対に乗せて!!って言ってくる愛美のあの態度。
一体……何なんだ??