汚れた街の汚れなき天使
「……ショックだよ。」
本当に悲しそうな愛美に俺も言葉を失くす。もうその言葉の端に棘は無い。
「後輩って……」
「それよりお兄ちゃんあの子とドコで知り合った訳??まさか……」
って愛美は知っているのか?彼女の仕事を。
いや、そんな筈は無い。
知り合いだとすれば余計に俺からキミが風俗嬢だよ、なんて言える訳ないし。
「ごめん。それは言えない……」
「そっか」
「あの子ね?中学のトキの後輩なの。」
愛美が言いたいのは……きっとキミは18歳以下って事で……。まぁ俺だって店で年齢見ただけでちゃんと確認しなかったけどさ。
まさか、そんなに若いとは。
15で連れてこられたって言ってたっけ。
つじつまは……合う。
見た目も全然ありえる。
「愛美、俺は確かに今日あの子と一緒にいた。だけど年とか、家とか、まだ何にも知らないんだ。」
「そ……う……なんだ」
「だけど、これから一緒にいたい人で、大切にしたい人。それが彼女。……だからそんなに凹まないでくれよ」
愛美は顔を上げると何故かちょっとだけ微笑んだ。俺の知らない大人びた表情で。
「じゃあ今から話すこと、ちゃんと聞いてね?」