汚れた街の汚れなき天使
俺の知らない頃のまりあ。これから一体何を聞くんだ??
そんな緊張する俺を置いて……。
ちょっと待ってて!!
突然キッチンへ向かい、二人分のコーヒーを淹れてくれる愛美は根はいい子なんだと兄バカながら思ったりして。
俺のはブラック、愛美はミルクをたっぷり入れたやつ。
冬も近くて肌寒い夜、体を芯から温めてくれたコーヒーは俺達の心も少しだけ溶かしてくれたような気がした。
わかってる。
愛美がここで間を置いてることぐらい。
きっと思い出したくない事なんだよな?
「達也と付き合って3ヶ月の時だった」
天井を見上げ何かを決意したように続ける妹に、本当はもう無理しなくていいから……そう言いたいのに、それが出来ない。
キミの事が知りたいから。
俺を兄に持ったばかりに……申し訳ない。
「たぶん……だけどあの子を嬲るサークルみたいなの?が存在してたみたいなんだ。選ばれた人だけそのサークルに入れるとか噂になってた。」
「ある日……先輩に選ばれてのこのこと出向いたのが……達也だった。」
!!!!!!!
その時のまりあの胸の痛み、愛美の胸の痛み、2人分の痛みが刃の様に俺を襲った。