汚れた街の汚れなき天使
あそこまで言わなくってもなぁ??
散々先輩の説教と本日のプレイ内容を聞かされた俺は重たい足を引きずりなんとか家に着いたのだった。
「お兄ちゃん?ぶつぶつうるさいよ?」
「悪かったな!俺でも悩むことぐらいあんの」
「とうとう彼女出来た??」
「んな訳ねーだろーが」
5つ年下の愛美は今時のギャルであり、年の離れた兄弟だけに喧嘩もなく仲はいい。
惚れた??
よくわからない。
もちろん俺だって今まで好きになった彼女ぐらいはいたけど……手を出すのに躊躇した事なんてあっただろうか?
いや。
欲望のままに抱き合って来たハズだ。
そんな俺が好みど真ん中!の子で 。
服まで脱いで好きにしてね♪状態だったマリアちゃんに触れることすらしなかったのは何でなんだ??
自分の事がわからない。
今もあの笑顔をいろんな男に見せているのだろうか??
手元の名刺を眺める。
可愛い文字で何か書かれている。
「また遊びに来て下さいね♪か……」
社交辞令なんだろうな。
というよりはただの客ってトコが正解か。
俺はその名刺を大切に財布へとしまうと眠りについた。