汚れた街の汚れなき天使
ここ、新宿にオフィスがある以上珍しくも無く……救急車やら、消防車が通るなんて頻繁に起きている事。
君の事を思って胸がドキドキしているから、こんなにサイレンの音が気になるんだろうか?
それとも……何かの知らせ??
「お先に失礼します!!」
何でもない。
何でもないんだ。
今日は、本当はもう寄らなくてもいい。
お店の閉店時間に迎えに行くだけ。
だけど……自分が安心する為だけに歌舞伎町へと歩を進める。
消防車がまた一台、俺を追い抜いていった。
先日の雑居ビル火災のニュースが頭をよぎる。
気が付くと、俺は全力で走っていた。