汚れた街の汚れなき天使
やじうまを掻き分け向かった先に見えたのは……火柱で。
溶けかかっているのはナイトフェアリーの看板。
その時。
ポケットで携帯が鳴った。
着信:まりあ
慌てて通話ボタンを押すとそこから聞こえたのは悲痛な叫びだった。
「海人!!怖い……オトウサンガ……」
恐怖に怯えたまりあの声。パチパチと何かが弾ける音が耳に響く。
俺はその場で携帯を投げ捨てると炎の中へ向かっていった。
「何やってるんですか!!ダメです」
「止まりなさい!!」
消防隊員の制止を振り切って……俺は炎に包まれた店の店内へ飛び込んだ。
怖くなんてないよ。
決めたから。
俺がキミを守るんだって。