汚れた街の汚れなき天使
「おはよう♪まりあちゃん」
「おはようです」
眞子さんの作ってくれるコーンスープはすごくおいしい。
だけど、心は温まらないんだ。
一人じゃあったかくないよ。
あの日。
お父さんの声が聴こえたんだ。
「俺を捨てるのか?」
まりあは待機中で、次のお客さんの為にタオルを変えたり、乱れたシーツをまっすぐにピンって伸ばしたりしてた。
そしたらドアが開いたんだ。
お父さんがお店に来るなんて。連れて来られた日以外無くて……びっくりした。
今日から海人の所へ行く事になってて、荷物をかばんに入れて運んできてた。
まりあが出かけてから、お父さんはそれに気が付いたんだ。