汚れた街の汚れなき天使




でも、それってお父さんを捨てる事なのかな?




まりあにはよくわからない。




一生懸命考えてたら急に目の前が真っ赤になって、シーツが燃えてた。




「お前がいなくなったらどうやって生活するんだよ……」




お父さんが小さな声で言ってて、海人のセンパイがローンとか考えてくれてるんだって説明したかったんだけどふるえて、うまく話せなかった。



お父さんはそのまま通路に向かって走っていって、ドアを開けて覗いたら更にカーペットに火をつけてた。




なんでかわかんないけど、笑ってた。




「まりあ、一緒に死んでくれるよなぁ?」




そう、言って笑ってた。








だけどまりあは



ヤで



死にたくなくて



怖くて



海人に電話をしたんだ。





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