汚れた街の汚れなき天使





バカだよなぁ……。



みんな馬鹿ばっかりだ。



なぁ海人?



お前は好きな女を抱いてもいないんだろ?それでいいのかよ?



「ヒデキ??」




「あぁ、悪りぃ。」





眞子に何と言われようと、今回の事件は俺の失態だと思ってる。あの日、親父さんが心配したって良かったんだよ。




なのに……俺はまりあを家に帰しちまった。




あのまま、眞子にでも一日見てもらって夕方社宅に住んだって良かったじゃねーか。




もし、なんて言っても仕方ねーってわかってるけど……まだ何も真実を知らないあの娘の事を思うと胸が痛い。




でもそろそろ潮時だよなぁ。隠し通せる……訳がない。





一度、病院に連れて行かなくちゃな。




まりあの声が届けば、あいつも目を覚ますかもしれねーし。





いや、絶対に目覚める。




その位、架けさせてくれや?






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