大好きなアナタ×大嫌いな「あなた」
ガシッ
誰かが、私の腕を掴む。

「ぇ…」
ふいに漏れてしまった声。
顔を上げると、アナタの顔が目に映った。

――……余裕の無い、慎 アナタの顔が。



「嵩津さんっ…!!!!」
汎くんが、私の名前を叫ぶ。
振り返りはするが

汎くんの元には戻れない。

いや、戻りたくない。
慎に、腕を掴まれてる。慎のすごく近くにいる。

その瞬間を大切にしたい。
私にとって、すごく大切な時だから…


矛盾している、私には慎の行動が理解できない。
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