大好きなアナタ×大嫌いな「あなた」
ガラッ 誰かが入ってくる。

先生が、ドアの方へいく。

「あら、長野くん。 どうしたの?めずらしいわね。」
「梨紅いますか?」

慎の声―――…


「嵩津さんのお迎え? 嵩津さん、お迎えよ。」
先生が、梨紅に笑顔で言葉をかける。

(え…、慎 確か今日は、委員会…しかも女の子に呼び出しされてた、よね?)
呆然としている私の前に、慎が来て
「梨紅ッ!帰るぞ。」
「ぇ…あ、うん」


そういって
呆然と固まっている私の腕を引っ張って
――…抱き寄せる慎。そして
「心配させんな。この馬鹿っ」
と囁く。小さくて今にも、消えてしまいそうな声で――…

(慎が…私のこと、心配してくれて、た…?)
「ごめん…」


そして、“ありがとう”。。。

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