大好きなアナタ×大嫌いな「あなた」
慎が、私の心配をしていてくれてた…

嬉しいのに、素直に喜べない…

それは「私」のせい。
慎――…アナタは、「私」がわかったら

私の、心配をしてくれる?

ー帰り道ー
「慎。」
「…何?梨紅。」
私は、思い切って聞いてみることにした。
と言っても、とても簡単な言葉で、少しだけ。

「慎は、さ、私が可笑しな子だったら、どうする?」
「可笑しな子って?」
「―自分に素直じゃなくて、…矛盾してる子。」
「別に、どうもしない。どうして?」
(どうもしない―――…か)
「いや、別に?」
「ふーん」

慎にとっての、私はやっぱ

慎の知っている、「私」なんだ。

家に着く…
「それじゃぁ、また明日。」
「ん。…あ、梨紅!」
「何? 慎。」
「一応言うけど、お前が俺の知らない、お前でも俺は関係ないぞ。」
(そんなの、わかってるよ。)

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