奪って★まいだーりん
先輩があたしに駆け寄る。

バツが悪そうな顔をしたままあたしの赤くなったおでこさすってくれた。

「大丈夫か?」

「…はい」


「ふふ。やっぱりあんまり可愛いくなーい」


先輩の後ろでそういう女の子はあたしより全然可愛いくて…すごく先輩とお似合いだ。


ズキン…ズキン…


胸が痛い。

可愛いくないとけなされたことよりも、先輩とお似合いなあの女の子を見るのが。

「先輩の…先輩の…ばかあ!!」

「めりい?!」

あたしは先輩を押しのけて走り出した。

追っかけてくる声をひたすら無視して。


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