奪って★まいだーりん
あたしの家の前に着くと、先輩は優しく笑いながらまたなっと言って手を振った。


「せんぱい…っ」


それがなんだか寂しくて、後ろを振り向いた先輩の服をきゅ…っと掴んだ。

「どーした?」

振り向かないまま先輩が尋ねる。


「……なんにもないです」

本当は、

この手を離したくない。

本当はまだ、

先輩と一緒にいたい…。



でも…そんなこと言ったら先輩は困るから…。


「また明日…ですねっ!おやすみなさい!」

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