ひとり恋♥マイセルフパラダイス(オリジナル版)
他にも蛍光ペンや消しゴムを貸してあげたり、シャーペンの芯をあげるなんてことは、ほとんど日常茶飯事だったし、あと宿題を写させてあげるなんてこともよくあった。


でも、だからってソレは全然迷惑なことじゃなくて。

逆にもっといろいろ忘れ物をしてほしいってカンジ?

だってさ、忘れ物が多ければ多いほど、それだけ彼とのコミュニケーションも多くなるワケじゃん?

なんならさ、いっそ、あたしが彼の持ち物を隠してしまいたいくらいだよ。

そーしたらトーゼンあたしを頼ってくると思うしぃ♪

キャッ、キャッ♪♪



その日の帰りのホームルームのあとのこと。


「お~い、北条。ちょっと、いいかぁ?」

帰り支度をしていた彼を、担任の滝川先生が呼んだ。

「なんすか? 先生」

そう言って教壇のほうへと向かう彼。

「こないだ、お前に再提出してもらったノートを返しとくぞぉ」

< 17 / 87 >

この作品をシェア

pagetop