ひとり恋♥マイセルフパラダイス(オリジナル版)
「うぃっす。今度はバッチリだったっしょ?」
「お前は“やればできるヤツ”なのになぁ」
“・・・って、そのノート、あたしが北条くんに写させてあげたんですけど・・・”
そう思いながら、不在になった隣の席のほうを何げに見ていたあたしは、一瞬自分の目を疑った。
“え・・・なんで!?”
帰り支度の途中で先生に呼ばれたせいで、開いたままになっている彼の学生カバンの中に、存在するはずのないものが存在している。
国語の教科書・・・。
彼が忘れたと言っていた国語の教科書が、ちゃんと彼のカバンの中にあったんだ。
“なんで忘れたなんて言ったんだろ・・・?”
そのときは気づかないフリをして、彼には何も訊かなかったけど、放課後、塾に行ってからも、そのことが気になって全然勉強に身が入らなかった。
ようやく、その理由が分かったのは夕食を終えて、おフロに入っているときだった。
ポチャン!
「そっか……そーいうことか・・・」