ひとり恋♥マイセルフパラダイス(オリジナル版)

でも鬼のリハビリのおかげで、あたしの足は順調に回復して、リハビリ開始から約1ヶ月後には“車椅子”から“松葉杖”になりフツーにおフロに入れるようになった――――



ドン、ドン、ドン! ドドン、ドドン!


ある日、リハビリが終わって松葉杖をついて病室に帰ろうとしていたら、遠くから太鼓のリズミカルな音色が聞こえてきた。

きっと放課後になって応援団の練習がはじまったんだと思う。

あたしが入院している病院から、あたしの中学までは1キロ足らずしか離れていない。

だからチャイムの音とか校内放送なんかがよく聞こえてくるんだ。


“もうすぐ体育祭か・・・”


入院生活をはじめてから――つまり、学校に行かなくなってから、もうひと月半になる。

なんか最近では、自分にとって学校という世界が、自分とは全く無関係な世界じゃないかって思うことが度々ある。

「ほぉ。応援団のヤツら、気合い入っとんな」

そこに風間さんがなぜか嬉しそうな顔をしてやってきた。

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