ひとり恋♥マイセルフパラダイス(オリジナル版)
あたしは一瞬、自分の耳を疑った。風間さんの言い間違いかとも思った。
「歌がヘタなのは“音痴”。せやから運動がヘタなのは運動音痴・・・略して“ウンチ”♪」
「ぷっ・・・」
あたしは思わず吹き出してしまった。
「お、ようやく笑ってくれたな♪」
風間さんにはいつもこの調子で、気がつくと笑顔にさせられている。
「ええなぁ、フォークダンス♪ できることならボクも参加したいわ♪ ほんで女子と手に手を取ってフォークダンスを踊んねん♪」
「そんなこと言ったらナースな天使に怒られますよ」
「アカン! カミさんには黙っといてや!」
「・・・って、あたし、風間さんの奥さん、知らないですし」
「そーやな♪ それにしてもなんでフォークダンスのときって“あと少しで好きな相手と踊れる番がくる”っちゅうところで、いつもいつも音楽が終わってしまうんやろ・・・?」
「そんなこと、あたしに言われても・・・」
「あ~ァ、ボクも学生に戻ってフォークダンスをやりたいわ。そーいえば、あのフォークダンスの音楽、なんていったっけ・・・? “オクラハマスタンピート”やったっけ?」