ひとり恋♥マイセルフパラダイス(オリジナル版)

「もう、いいよ・・・」

「“バカじゃない”っつーか、思いっきしチョーおバカなんだけどな♪ ハハッ♪」

「もう、いいって!!」

痛々しくて聞いていられなかったあたしは、思わず声を荒げてしまった。


“他人(ヒト)の痛みが分かる”

世間でよく使われるフレーズだけど、今のあたしほど彼のココロの痛みが分かるニンゲンはいないと思う。

好きな相手にまごころを踏みにじられる。

そのときに受けた痛みっていうのは、もちろん肉体的な痛みじゃないけど、生きる気力をなくしてしまうという意味では、肉体的な痛みによるダメージ以上のものだと思う。


「あのとき、お前に言われたけど、ヤッパ俺、自惚れてたわ。マネージャーとして・・・ただ単にマネージャーの仕事として、俺の面倒見てくれてただけなのに、そんなオンナのことを好きになっちまうなんてさ。アハハッ♪」

軽い感じで笑う彼だったけど、そこに明るさはなく逆に悲壮感すら漂っていた。

「・・・・・・」


“ニンゲンって・・・ニンゲンって悲しくても笑えるんだね・・・”


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