cherry blossom Ⅰ
この気持ちに嘘はない―


そう分かっているはずなのに
どうしても日向に行きたいと言えない。
言わなきゃ何も始まらないことは
重々承知しているはずなのに…。


《海南高校》のページを
ずっと眺めている私の姿を見て
よほど気に入ったと思ったのか
先生は満足そうに笑っている。
本当は書いてある文章なんて
何一つ入っていなかったが…


「先生、私…ね…」


数分たってようやく重い口を開いた。
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