cherry blossom Ⅰ
その後8時半すぎに家に帰り着き
「少し読んでみるといい。」
と薦められた高校情報誌を
傍らに置いてベッドに寝転ぶ。


志望校が決まっていないことを
凄く心配していたから
私が海南高校を受けると言うと
先生は満面の笑みを浮かべていた。


いつも以上に目をくしゃっとさせて
目尻に少しだけ皺が寄る。
真っ白な歯を見せてこっちを見るその顔は
その顔は…………


紛れも無く私の大好きな彼の笑顔だった
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