さようなら
さようなら
「さようなら」
心の中でそっと彼に呟いた。
知らない女性と楽しそうに腕を組んで歩いていく彼。
あ、私はもう必要ないんだね。
拾われていないけれど、「捨てられた」と思った。
彼のことが好きだった。
好きで、好きで、大好きで・・・
彼のそばにいられるなら、
彼に必要とされるなら、彼女じゃなくてもいい・・・と
いつか彼の彼女になれる日を夢見て、私は彼との関係を続けてきた。
1年間続いた彼との曖昧な関係。
彼に嫌われないように必死だった。
彼に“一人の女”として、“恋愛対象”として見て欲しくて、メイクも身だしなみも今まで以上に頑張った。
このまま頑張れば、いつか彼の彼女になれるんだと思っていた。
ほんの少しでも私のことを好きになってくれていると思っていた。
でも、私は彼の一番にはなれなかったみたいだ。