ショート・ミステリーズ!短編集その3
その晩、町は大騒ぎになった。

町の消防団によって、土管の中は勿論、工場の内外まで調べられたが、君の姿は見つからなかった。

僕は警察や君の両親に、何度も状況を説明したが、僕の話を聞いた大人たちは、ことごとく首を傾げたのだった。

これは子供たちの悪戯なのではないか、と言う者もいた。

だが、その日の夜半を過ぎても君が帰ってこないので、人々は、これを本格的な事件だと認識し始めたのだった。
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