ショート・ミステリーズ!短編集その3
その時。
――ピキッ。
何かが割れるような音がしました。
「あっ、石コロさん!」
こぎつねが、ビー玉のような目を大きくして言います。
「お顔にヒビが入ってるよ! 大丈夫なの……?」
こぎつねの言うとおり、石の両目の間から口にかけて、大きな亀裂が走っていました。
「ああ……そろそろか」
「そろそろ?」
「そうさ」
石が穏やかな表情で言います。
「この何十年の間に、たくさんの動物がオイラの上に腰掛けて、空を眺めてきたんだ。オイラにも『寿命』ってのがあって、そろそろ崩れる頃だなって思ってたんだ」
――ピキッ。
何かが割れるような音がしました。
「あっ、石コロさん!」
こぎつねが、ビー玉のような目を大きくして言います。
「お顔にヒビが入ってるよ! 大丈夫なの……?」
こぎつねの言うとおり、石の両目の間から口にかけて、大きな亀裂が走っていました。
「ああ……そろそろか」
「そろそろ?」
「そうさ」
石が穏やかな表情で言います。
「この何十年の間に、たくさんの動物がオイラの上に腰掛けて、空を眺めてきたんだ。オイラにも『寿命』ってのがあって、そろそろ崩れる頃だなって思ってたんだ」