ショート・ミステリーズ!短編集その3
やがて、友人のひとりが、僕の好きな人の名前を聞いてみようと言い出した。

僕は拒絶したが、なだめすかされ、仕方なく十円玉に指先を委ねた。


十円玉は、君の名前を指し示した。


そのことで、僕と君は友人たちに冷やかされたが、今思えば、誰かが仕組んでいたのかもしれない。

しばらくすると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響き、僕たちはパラパラと各自の席に付いた。
< 4 / 74 >

この作品をシェア

pagetop