ショート・ミステリーズ!短編集その3
そして、また、
――ピシッ!
石の亀裂が大きくなりました。
「ああ、本当に最後みたいだな。じゃあな。こぎつねの坊や。坊やと話せて良かったよ」
ヒビだらけになった石は、苦しみをこらえて微笑みます。
「石コロさん……」
こぎつねは、両目を手で覆い、嗚咽する声を漏らします。
「泣くなよ。……また、いつになるかわからないけどさ、この星が続く限り、また会えるんだから。その時までの辛抱さ」
それに、と石は喋り続けます。
「体が崩れていくのは痛いことだけど、……楽しみでもあるんだ。次はどんな場所に生まれて、どんな景色を見られるのかなって」
――ピシッ!
石の亀裂が大きくなりました。
「ああ、本当に最後みたいだな。じゃあな。こぎつねの坊や。坊やと話せて良かったよ」
ヒビだらけになった石は、苦しみをこらえて微笑みます。
「石コロさん……」
こぎつねは、両目を手で覆い、嗚咽する声を漏らします。
「泣くなよ。……また、いつになるかわからないけどさ、この星が続く限り、また会えるんだから。その時までの辛抱さ」
それに、と石は喋り続けます。
「体が崩れていくのは痛いことだけど、……楽しみでもあるんだ。次はどんな場所に生まれて、どんな景色を見られるのかなって」