ショート・ミステリーズ!短編集その3
「うん……うん……」
こぎつねは頷きます。
「……だから、何も心配しなくていいんだぜ。じゃあな」
その時、まるで神様がくしゃみをしたみたいな、強い風が丘を吹き抜けました。
石はだんだん姿を砂に変えてゆき、風に運ばれていきます。
それに見とれていたこぎつねの頭から、麦藁帽子がビュンと飛んでいきました。
風を受けた麦藁帽子は、青い空の高い高い場所まで登ってゆきます。
こぎつねは、瞳に滲んでいた涙をそっと拭い、帽子を追いかけて走り出しました。
―了―
こぎつねは頷きます。
「……だから、何も心配しなくていいんだぜ。じゃあな」
その時、まるで神様がくしゃみをしたみたいな、強い風が丘を吹き抜けました。
石はだんだん姿を砂に変えてゆき、風に運ばれていきます。
それに見とれていたこぎつねの頭から、麦藁帽子がビュンと飛んでいきました。
風を受けた麦藁帽子は、青い空の高い高い場所まで登ってゆきます。
こぎつねは、瞳に滲んでいた涙をそっと拭い、帽子を追いかけて走り出しました。
―了―