ショート・ミステリーズ!短編集その3
【ジョン・ディックの手記】

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私は今、ワシントン州の雪山、レイニエのとある洞穴にいる。

もしかしたら、私はこのまま死ぬかもしれない。

いや、現状では、死ぬ確率のほうが高いだろう。

残る食料は板チョコ一枚。

数日雪山をさまよったあと、偶然この洞穴を見つけたからよかったものの、銀の悪魔は容赦なく吹き荒ぶ。

不気味な音だ。想像もつかないような怪物が、吠えたけているようだ。
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