ショート・ミステリーズ!短編集その3
呼吸するたびに、肺の奥まで凍てつく。

無意識に奥歯がカタカタ鳴る。

ただ、書くんだ。

今の私にできることは、この手記を書くことだけだ。

寝ると終わりだ。

簡易着火装置が残っていたのが、せめてもの救いだ。暖をとることはできる。

焚き火に手をかざし、温めながら、私はペンを握るのだ。
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