ショート・ミステリーズ!短編集その3
学校が終わると、僕たちはとある公園に集まった。

団地の間に造られ、滑り台やシーソーが申し訳程度に設置された、小さな公園だった。

その日僕たちは、かくれんぼをすることにした。

例によって、じゃんけんで鬼を決め、鬼役になった友人が、ベンチの前にひざまづいて顔を伏せ、数をかぞえはじめた。

僕も隠れなくちゃ、と思っていた時、誰かに肩をツンツンとつつかれた。

振り返ると、君だった。

水色のワンピースを着ていた君は、少し爪先立ちになり、唇を僕の耳元へ近付け、囁いた。

「面白い場所を見つけたの」と。

「どこ?」
と、首を傾げる僕に、君は意味深長に微笑み、公園の外へ駆けていった。

僕はよくわからないまま、君のあとを追った。
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