ショート・ミステリーズ!短編集その3
疲労と痛嘆の極みに追いやられた私は、だんだん意識がなくなっていくのを感じました。

ぐったりした私に、男たちの会話が聞こえてきます。

「……おい、伸びちまったぞ、この女」

「死んだか?」

「いや、息はしているみたいだ。どうする?」

「この先の神社に、古井戸があったじゃねえか。そこに投げ込んじまおう」

「それがいい」

私の身体が、乱暴に持ち上げられます。

男の汚らわしい腕にしばらく揺られ、運ばれた後、私は古井戸の中に投げ込まれてしまったのです。
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