ショート・ミステリーズ!短編集その3
その次の日。

雨が上がったので、私は朦朧とする意識を奮い起こし、もう一度壁面に手足をかけました。

しかし、壁面は予想外にぬかるんでおり、やはりズルズルと滑り落ちてしまうのでした。

私は空腹に耐えられなくなり、地面に咲いていた名も知らぬ花の茎を千切り、噛みました。

苦味が舌の上に広がり、私は思わず唾を吐いてしまいました。

ですが、私の中の動物的な衝動が、「食べろ」と命令するのです。

涙を流しながら、私は茎を口の中に放り込み、クチャクチャと噛み続けました。




次の日も、そのまた次の日も、私は草を噛み、雨が降った時は雨水を飲みながら、誰かが井戸を覗き込んでくれるのを待ちました。

ですが、一週間を過ぎても、助けは来なかったのです。
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