{霧の中の恋人}
私は久しぶりに大学に行った。
遅れた分の授業を取り戻さなくちゃ!
今日の授業は最後までぎっしり入ってるから、帰りが少し遅くなるなー。
その後、ご飯を作って7時くらいになるかな。
久木さん、お腹すかせないかな…。
…っと、授業に集中しなくちゃ!
私は慌ててノートにペンを走らせる。
これからは久木さんの食事も作ることにした。
と言っても、大学やバイトやサークルがあるから、朝と夜だけだけど…。
家賃や、生活費を出してもらっているお礼と、
また彼をそのままにしておくと、おざなりな食事をして倒れることは目に見えているからだ。
今日の夕飯は何にしよう…。
昨日のシチューでは、ニンジンだけが綺麗にお皿に残されていた。