{霧の中の恋人}
噂と思いがけない告白
大ちゃんがマネージャーの子と付き合いだした…。
マネージャーのなっちゃんって子だ。
きっと、あの子が大ちゃんに告白したんだ…。
それに、大ちゃんはOKをだした。
2人は恋人同士になっちゃったんだ…。
大ちゃんは、その子がずっと好きだったのかな…?
─────…
「…おい、目を開けたまま寝てるのか?」
目の前に座る久木さんの言葉で、我に返る。
「食事中に目と口を開けたまま寝るなんて器用なやつだな。
君の特技なのかもしれないが、止めたほうがいい。
ずいぶんとマヌケな顔をしているから」
マヌケな顔…
久木さんの言葉に言い返す元気もない私は、箸をテーブルに置いた。
「そうですね。もう寝ます」
「まだ食事が半分も進んでないように見えるが?」
「今日はちょっと食欲がないので…。
後片づけは朝やるんでそのままにしておいて下さい」
私は席を立って、フラフラと自分の部屋に戻った。