{霧の中の恋人}
「うーん…。
かっこいい…かな」
「えー!!
大地さんを見慣れた瑞希が言うんだから相当なものね!
そんな人と一緒に暮らすなんて、好きになっちゃったりして!」
久木さんを好きになる!?
「ないない!それはない!」
私は思い切り否定する。
「どうして?そんなこと分からないじゃない」
あの物の言い方。
バカにしたような態度。
非常識な振る舞い。
機械のように無機質な喋り方。
「ないない。絶対ない!」
久木さんを好きになるなんて、絶対!
有り得ない!!!
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