{霧の中の恋人}
焦げたお好み焼き
金網越しに見る大ちゃんは、相変わらず輝いていた。
真剣な眼差しでボールの行方を見つめ、大ちゃんは走り出す。
まるで、そこにボールが来ると分かっていたかのような、絶妙なタイミングでパスを受けた。
「大地!いけー!」
パスを出した人がゴールを指差して叫ぶ。
ボールを奪おうとする相手チームの妨害を、華麗なドリブルで次々と抜いていく。
ディフェンスをヒラリと交わし、ボールを放った─。
キーパーがジャンプするも、それは届かず、ネットを揺らした。
「ゴール!!」
「っしゃあ!!」
大ちゃんが嬉しそうに叫んだ。
大ちゃんのシュートが決まった!
45度からのミドルシュート!