KISS OF LIFE
その音に驚いていると、
「何をしているのかな?」

資料室のドアにもたれかかるように、携帯電話片手に淳平が立っていた。

「南野…!?」

ブラックオーラ全開の淳平。

ブラック指数は100パーセント、めちゃめちゃ怒っています…。

「何で、ここ…?」

「忘れ物を取りに戻ったら、資料室で音がしたんです。

覗いてみたら、こう言う訳で」

淳平が携帯電話を見せた。

そこには、あたしが森藤さんに襲われかけている画像があった。

「これを上の人に見せたら、大変なことになるでしょうね」

「脅してる、つもりか?」

「別に、ただかわいそうだって思っただけです」

淳平は勝ち誇ったように言った。

「森藤さん、やるのはあなたの勝手ですけど相手を考えた方がいいですよ?」

「はっ…?」

「あなたがどれだけ彩花に片思いしていたかわかりませんが、彼女は俺のものです」

森藤さんが悔しそうに唇を噛んだ。

「次に彩花に手を出したら、この画像を然(シカ)るべきところに持っていきますから」

そう言った淳平に、森藤さんは悔しそうに顔をゆがめると資料室を出て行った。
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