KISS OF LIFE
その瞬間力をなくしたと言うように、あたしはガクンと足から崩れ落ちた。

「彩花?」

淳平に名前を呼ばれて顔をあげると、心配したような顔をした彼と目があった。

「あ…アハハ、あたしは何をしているんだろうね…?」

あたしはどうにか笑って見せた。

「あたし、ホントにドジなんだから…」

そう言った瞬間、あたしの目から涙があふれた。

「あ、アハハ…」

笑っていても、ボロボロと涙はこぼれる。

「彩花」

気づけば、同じ目の高さに淳平がいた。

腕が伸びてきたかと思うと、あたしは淳平の中にいた。

「守れなくて、ごめん」

吐息のような声で、淳平が言った。

「彩花の彼氏なのに、守れなくて悪かった…」

そう言った淳平に、
「…そんなこと、ないもん」

あたしは言った。
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