KISS OF LIFE
だって、そうでもしなきゃ。

「ご両親に顔あわせに行かなきゃ、このまま黙っておく訳には行かないだろ?」

そりゃ、ごもっともなご意見ですけど。

「認めてもらえなかったら、どうするつもりなのよ?」

「それは、俺が何とかするさ」

智恭が入ってきた。

「智恭くんだっけ?

少しの間黙ってくれるかな?」

「…はい」

わあ、あの智恭が言うことを聞いた。

フツーにすごい。

「認めてもらえなかったら、認めてもらうまで頑張る。

それが男しての常識だろ?」

何か、ますます惚れちゃったかも…。

ポーッと、頬が紅くなって行くのが自分でもよくわかる。

「と言う訳で、来週は彩花の実家に帰ると言うことでいいね?」

「わかった」

あたしは首を縦に振ってうなずいた。

「んじゃ、決まりだな」

智恭が言った。

「俺は帰る、後は若い2人でごゆるりと」

片手をあげながら、智恭は去って行った。

「変わった弟だね」

智恭の後ろ姿を見ながら、淳平が一言呟いた。
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