KISS OF LIFE
「そちらの方は…?」

お母さんが隣の淳平に気づいた。

「南野淳平です、彩花さんとおつきあいをしています」

淳平が頭を下げた瞬間、お母さんは目を丸くした。

んっ、何か変なことを言ったかしら?

あたしは心の中で首を傾げた。

「これはご丁寧に。

どうぞ、あがってください」

「お邪魔します」

あたしと淳平は家にあがった。

リビングに行くと、すでにソファーにお父さんと智恭が座っていた。

「おう、兄貴」

智恭が片手をあげ、あいさつした。

あたしへのごあいさつはないんですか…。

チラリとお父さんが淳平を見た瞬間、ビックリしたように大きく目を見開いた。

何だ、このリアクションは?

淳平を見るたびにビックリするって、ある意味失礼じゃないの。
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