KISS OF LIFE
笑われちゃったよ、あたし…。

「だって呼び捨てなんて、そんな…」

「2人っきりの時だけでいいから、呼んで」

ふ、2人っきり!?

「あたし、バカですからみんなの前で間違えて呼んじゃうかも知れませんよ?」

「それは彩花が気をつければいい」

ごもっともな発言である。

「彩花、呼んで?」

まだ言うんですか!?

ツッコミが出そうになったが、何とかこらえた。

頑張ったぞ、あたし。

「彩花?」

その甘い笑顔、すごく反則です。

完ッ全にKOです。

「――淳平…」

小さな声で、あたしは名前を呼んだ。

「よく言えました」

ご褒美と言うように、淳平の唇が落ちてきた。

温かくて、甘いキスを交わした。
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