KISS OF LIFE
1人でボケとツッコミをしてるあたしは変人だ。

「堺さん」

名前を呼ばれて振り向くと、
「あら、岡本くん」

岡本くんがいた。

「お昼?」

「ええ、そうです」

そう言うと、岡本くんはバンダナに包まれた弁当箱を見せた。

「あら、お母さんの手作り?」

あたしが聞くと、
「いえ、違います。

僕、1人暮らしなもんですから」

「へえ、1人暮らしなの」

「実家にいた頃は、オカンに作ってもらってたんですけどね」

「ハハ、あたしもそうだったよ」

岡本くんは地面に座ると、お弁当を広げた。

「ところで、堺さんは何をしていたんですか?」

岡本くんが聞いた。

「あたしはお昼食べながら、ケータイ小説を読んでた」

「ケータイ小説って、恋空とか白いジャージとかのあれですか?」

玉子焼きをつまみながら、 岡本くんが言った。
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