KISS OF LIFE
「堺もやるか?」

足元のボールを拾うと、金田くんが聞いてきた。

やるかって…まあ、いっか。

「ちょっと待ってー」

あたしは手に残っているおにぎりを口の中に押し込むと、お茶を流し込んだ。

おにぎりとお茶を胃に流し込むと、携帯電話をスカートのポケットに入れた。

走って、金田くんのところに行く。

「あたしも混ぜてー!」

手をあげ、輪の中に入った。

「よしやるぞ!

じゃ、堺!」

金田くんがあたしに向けてトスをした。

さすがは元バレー部、トスが上手です。

しかし、
「飛ばし過ぎー!」

ボールはあたしの頭のうえを通り過ぎた。

仕方ないので、あたしはボールを見あげながら追いかける。

追いかけていたら、屋上の端っこについてしまった。

ようやくあたしはボールに追いついた。

ボールがあたしに向かって落ちてくる。

よし、トス!

「危ない!」

その瞬間、あたしはグイッと引き戻された。
< 9 / 152 >

この作品をシェア

pagetop