KISS OF LIFE
「告白、ってとこ?」

第3者の声に驚いたあたしだけど、1番驚いているのは岡本くんだ。

「告白とは、青春してるもんだね」

そう言って、淳平は当たり前のようにあたしの隣に立った。

淳平の出現に、岡本くんは箸を片手に震えている。

「けど、告白する相手を考えなきゃね」

淳平はニコッと笑った。

かすかにブラックオーラが見えたのは、あたしの気のせいかしら?

「いや、僕は告白なんかしていません」

岡本くんの顔が青くなる。

紅くなったり、青くなったり、忙しい人である。

「ただ僕は、自分がもし彼氏の立場だったらを言っただけです」

「そう、ならいいよ」

淳平はニコッと岡本くんに笑いかけた。

「じゃあ、僕は邪魔みたいなので…」

「悪いね、ありがとう」

岡本くんは広げたばかりのお弁当を片づけると、逃げるようにその場を去った。
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