夢を紡ぎ歴史を解く
「紗稀が行方不明!?」
母親が電話先で騒いでいた
俺は嫌な予感が拭えず立ち聞きをした
「…そんなはずは………
……が…………なんて………紗稀が……」
重要な部分はあんまり聞こえなかったが確かに『紗稀』とは聞こえた
いてもたってもいられず母の前に出た
「母さん!!紗稀がどうしたんだよ!!」
「聞いてたの…?」
「仕方ないだろ母さんの声がデカイんだから」
「デカイは余計よ
状況を説明すると…
紗稀の家に何者かが進入して紗稀を掠ったかもしれない…
ここまでは分かるよね」
「当たり前じゃねぇか」
「10歳で理解出来ない事が有るかもしれない」
「一体なんだよ」
「…紗稀は無事じゃすまないかも」
「なっ!!!!!!!」
光輝の母親が言いたいのは『紗稀が襲われて自我崩壊の恐れ』があると言いたいのだ
ちなみに光輝の母親は『心理学.分子遺伝学』の助教授だ
「ちきしょう…………紗稀…………」
ふと思った言葉
(…桜って綺麗よね
…でもいずれ散るの
花咲かせ…散る)
何を伝えたいのは分からない
けれど…重要な気がした
「母さん!!
今日紗稀がこんな事を」
「まさか…知っていた?」
「何をだよ」
「自分の身に何か起こる事を示唆していた……
でもなんで桜…?」
「桜…6年目…
分からない…」
「信じたくはないけど…
光輝!!今すぐ紗稀の家に行って来て!!!!」
「なんでだよ……」
「証拠が…何か有るかもしれないから!!」
「分かった!!!!!」