弱者

男の大きな黒目がちな瞳が麻美の目を離さない。

『んはぁ、んはぁ、・・・・それって、譲る気持ちがないってことですか〜? 僕達、障害者に、座るなって言うんでづか〜? んはぁ、んはぁ、』


男の息が荒くなる。

(怖い・・・ 暴れ出したらどうしよう・・・ )


『そ、そうじゃないです! ただ、今は、沢山、空いてるじゃないですか・・・ 』

次第に声が小さくなる。

『んはぁ、んはぁ、んはぁ・・・』


男の息遣いが荒くなる。




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